上手に負ける
 
 私は、いままで常に勝っているかのようなことを書いてきた。しかし、実際は負ける日も多い。賭け事で絶対に勝つということは、一握りの人間以外はありえないのだ。
 
 パチ屋の話になるが、私は打つ前に釘をチェックするが、それでも罠にひっかかることはある。だいたいプロは打つ店が決まっていて、台の癖も分かっている、同じ釘でも台によっては出たり出なかったりする。

 だから、実際は、前日より甘くなったか、厳しくなったか、前々日とはどうか比較して見ている。
 私のようなサラリーマンだと毎日とはいかないので、数日開くと、隣の台や前回との比較になる。
 やっぱり、釘を見損ねてしまう場合もあるのだ。
 
 実際に打ってみて、失敗したなと思うことがある。そのときは、潔く席を離れる。他にいい台がなければそれでおしまい。
 決して、感情が理論に勝ってはいけない。

 一時期私は、朝から打って、閉店時に全部景品に替え、途中交換しなかったときもある。そうしたら4万発くらいはあるので、周囲から見ると、とんでもなく勝ったように見える。しかし、それでも負けていることもある。
 それは、資金があるからで、勝算があったからだ。結果として確率どおりにいかなかっただけのこと。

 最後まで、あり金を突っ込むバカがいたが、それをやるともう明日打つことはできない。
 負けだと思えば、すぐに引く。明日勝負ができるのだ。
 
 易経に「険を見て、退けるは勇者なり」という言葉もある。

 まあ、これは熱くなると無理というものかもしれないけれどね。
 私の場合は、こういうことが簡単にできるようになったとき、もうパチ屋には行かなくなったのだけれどね。