敗者の掟
 
 敗者の掟と言っても、たいしたことはない。パチンコなら、お金が無くなるということだし、試験なら不合格ということだ。恋なら、また1人に戻るだけのことだ。
 勝負の内容によっては死ぬかもしれない。ただ、それだけのこと。

 賭け事で、「運が無かった。」「あいつは汚い」とか「あのパチ屋はボッタクリだ。」とか言う人間がいるが、賭け事なんて誰も強制していない。
 全て、自分の意思でやるものだ。そして、負けたらどうなるかは誰でもわかることだ。

 自分の意思でやっておいて、負けたらどうなるかは分かりきっている。それでも、やったのだから誰のせいにもできないし、結果は自分で負うしかないし、それを受け入れるしかない。
 場合によっては、誰も助けることはできない。

 プラス思考はいいことだ。
 しかし、負けたらどうなるのかくらいの想像力は働かせてほしいものだ。

 強い人間は、負けたらどうなるか知っている。当然怖い。
 だから、考えるし、それなりの苦労もする。
 何もしなくて勝てる方がおかしいのだ。

 勝負に負けたら、全ては自分で負うしかない。
 そのことを分かっていない者は負ける意味さえ分からないだろう。