概論2.正しく服用する為に
1.指示された用法用量を守る
 
指示された、用法用量は必ず守って下さい。それぞれの用法用量には意味があります。例えば食後の指示を受けた場合、食べ物と一緒ではないと、胃を痛める場合もありますし、小腸上部の一部分のみから吸収される場合は食べ物と一緒にゆっくりと移動する方が吸収は良くなります。
 又、胃潰瘍の場合、空腹時に痛む場合などは、空腹時に服用する方が治療効果が期待できるのです。
 薬同士の兼ね合いと言う場合もあり、吸着性のある薬品は、他の薬を吸着して、無効にしてしまう事もあり服用時点をずらす事もあります。
 いずれにしても、医師の判断で、治療効果が上がり、できるだけ安全な服用方法が指示されていますので、自分の判断で勝手に服用しないようにしましょう。
2.ヒートシールについて。

左の図は、最近病院の薬局等でよく見られる図です。
 錠剤やカプセルを1つずつ包装しているシートを
ヒートシールとかPTPシートと言います。
最近、ヒートシールから薬を出さずにヒートシールごと飲んでしまう事故が起きています。
ヒートシールを飲み込んでしまうと、消化器官を傷つけるだけでなく、穿孔など手術が必要になる事もあります。
 事故を起こした人は意外にも若い人が多く、原因としては、テレビを見ていた、急いでいたというような、「うっかり」原因である場合が多いようです。
3.坐薬について
 
坐薬とは、肛門から挿入する形式の剤形で体温で溶けて、局所または、直腸の静脈に直ぐに吸収されて効果を発揮します。
 痔の場合は局所のみの作用となります。解熱鎮痛薬の場合は、直腸の静脈に吸収されて、内服薬よりかなり早く効果が現れます。
 坐薬も、その包装から取り出して使用してください。保管は室温の場合もありますが、殆どの物は冷所(冷蔵庫など)の保存となります。体温で溶けてしまい、一度溶けると温度を下げても元に戻らない物もあります。
4.点眼薬について
 
点眼薬は指で容器に圧力をかけて中の液体を1〜数滴点眼するのですが、液体の出た分空気を吸い込んでしまいますので、空気中の細菌等で汚染されてしまうのです。従って、治療後余った目薬を保管しておいて、長期不使用の目薬を使用するのは避けてください。
5.水薬について
 
病院でお渡ししている水薬は、特に保存剤を入れているわけではありません。調剤の日より決められた日数の服用で使い切ってしまう事を予定して作られています。決められた日数を経過した物は服用しないで下さい。
6.飲み忘れた場合
 
薬を飲み忘れた場合ですが、これは症状や薬の種類によって異なりますので、かかりつけの医師または薬剤師に相談して下さい。
 多くの場合、前の服用時点に近い場合はすぐに服用し、次の服用時点に近い場合は、次の服用時点まで服用しないで1回休みと言う場合が多いです。
7.水以外で服用してよいか
 
原則として、水で服用して下さい。ぬるま湯でもかまいません。但し熱湯は薬が変性する場合もあります。お茶はタンニン等で吸着され効果が半減する場合があります。
 アルコールと安定剤も効果が大きくなり危険です。
 グレープフルーツジュースは一緒に服用してはならない薬が多いので、避けるようにしましょう。
 意外なところで納豆もワーファリンという薬とは食べ合わせとなります、納豆は血液をさらさらにして、血栓を出来にくくするいい食べ物なのですが、同様の薬効のあるワーファリンと一緒に取ると出血傾向が出てしまいます。
 その他、食物や飲み物と相性の悪い薬もありますので、薬をもらう時に尋ねるか、そのような注意を受けた場合、心にとめておいて下さい。
ろばさんの服薬指導