1.なぜ結婚するのか

再びなぜ結婚するのかという問い。

 多くの地球上の生物がそうであるように、生まれて生長して、結婚して子供を生み育て、死んでゆく。そういう生命の営みは何の疑問もなく、現在も繰り返されているわけです。それは、生命の本能として遺伝子にインプットされているからです。
 しかし、ただひとり人間だけが、それに対して疑問を持ってきました。結婚は子供を生み育てるためだけなのだろうかと。さらに、なぜ結婚するのかの意味を求めてきました。
 もちろん、そういう問題に疑問を持ってきた人は昔からいるのでしょう。しかし、近代までの人類の生産力は低くて、一つの財産で、多くの人が共存する必要があったわけです。
 1人の生産力では、生活を維持することすらできませんでした。そこでは、家族の協力と結束が要請されました。
 しかし、産業の発展にともない、1人1人の個人の財産という概念が芽生えて、1人の生産力でも生活が維持できるようになってきたのです。
 それにともない、少ない財産を共有して、みんなで生存してゆくという必要がなくなり、核家族化が実現し、さらに人が生きてゆく上で結婚という制度自体が必要ではなくなってきました。
 
 昔のお見合いというのは、家と家の結びつきという側面もあったでしょうが、基本的には生活基盤の問題であったともいえるわけです。
 実際に現在でも、年頃の子弟を持つ両親は、子弟の結婚相手に求めるものは、人柄以外では年収や安定性など生活基盤をもとにしている場合が多いでしょう。
 しかし、個人主義の浸透と経済的な発展によって、結婚に対する意識が変化してきました。結婚は精神的要素と経済的要素が並存するという構造から、精神的結びつきのみの意義が大きくなってきたのです。もはや、「なぜ結婚するのか。」という問いは1人1人が答えを見つけるしかないようです。

結婚のメリット
 結婚のメリットって何でしようか。今は独身でも生きてゆける時代で、特にパラサイトシングルといわれる人は家事も親がしている場合もあり、仕事から帰ると食事もできているという場合が多いでしょう。しかし、結婚すると家事は自分でしなくてはならなくなり、使えるお金も減るでしょう。
 ただ、ここでパラサイトシングルが増えたということを非婚化の原因と考えるわけにはいきませんし、経済的理由のみを非婚化の原因と考えるのは短絡的というほかはありません。
 彼ら、彼女らは、それでも結婚を希望している場合が多いのです。ただ、結婚が生活基盤の確立という意味は薄れてきたであろうということはいえるでしょう。
 結婚制度は、子供の保護のためという意見もありますが、子供の生活を維持できる仕組みがあれば、結婚制度は必須ではなくなってもきています。我が国では、まだ非婚の子供という割合は少ないのですが、外国では、離婚率だけでなく、非婚子の割合も増えている国もあるようです。

 結婚は、まだまだ生活基盤という側面は否定できないのですが、精神的な要素の部分が増えてきているように思うのです。
 


ろばさんの部屋 > 結婚相談所なんてこわくない > 結婚相談所概説  

機内スープ 120-60