6.結婚相談所のしくみ(1)
お見合いの概略
 具体的なお見合いの仕方は、このサイトの別コンテンツで書きました。ここでは、以下お見合いをセットする側の立場に立って書いていきます。
 まずは、基本的な形式として、旧来のお見合いスタイルを書いていきます。

 まず、多くの場合年頃の子供を持つ親や本人が釣書を持参して、仲人さんのところにお見合いの世話を頼みに行きます。仲人さんは、地域のお見合いおばさんなどですが、ここでは、地域の世話役のような人か、親戚の顔役かは別にして、多方面に交流があり、お見合いの世話をすることが周囲に知られている人という事にしておきます(以下仲人といいます)。

 仲人は、お見合いを依頼した人から、その人のプロフィールを書いた釣書という書面と、写真を預かります。通常は、お見合いをする本人と面談して、どんな人がタイプかなどの希望を聴くことになります。
 内容としては、本人以外でも、実家の家業や生活スタイルも聞かれることがあります。
 すでに、仲人が本人の実家について良く知っている場合はなどは、これは除かれることがあります。
 
 このとき、仲人が知るべき情報というのは、本人のプロフィール、希望条件、将来の生活設計、性格をつかむべきなのです。そして、家族の歴史や生活スタイルです。

本人のプロフィール
 本人のプロフィールというと、釣書に書いてあるとおもわれますが、そうではありません。例えば勤務先にしても、仕事は定時に帰れるのか、遅くなるとしても、通常の残業時間はどれくらいか。休はどうなっているのか。また、仕事の内容も聴きます。それによって、仕事での疲労度やストレスの度合い。本人の仕事への情熱の度合いなども、話し方や表情から読み取らなくてはなりません。
 こういう事は、釣書には書いていないことで、実は社名などより重要です。例えば、家庭を大切にして欲しいという希望を持つ女性に対して、毎日深夜11時近くまで仕事をしている人を紹介できるでしょうか。
 ライフスタイルの面で、噛み合わない人は駄目なのです。ストレスをためやすく、家庭では怒りを爆発させそうな人に、内気なおとなしい女性を紹介できるでしょうか。
 そのような事を事前にチェックしておかなくては、お見合いは無駄になるのですから。

希望条件
 本人の希望条件を聴くとしても、年収とか身長とかを細かく聴くことはありません。結婚情報サービスでは、マークシートなどで細かくデータを記入しますが、本人が何を重要視するのかは、マークシートでは分かりません。なぜなら、どこ項目も同じに評価されるか、その会社独自のポイントの付け方になってしまい本人の意志を掴んだとはいえないからです。
 本人に、「どんな人がいいの。」という問いを投げかけるとともに、表情や話し方から、その人の考えているタイプを割り出すのです。「あまり細かい条件は無理。」という事も伝えなくてはなりません。
 それでもよく分からない時は、「結婚したら、どんな生活がしたいの?」というような、結婚後のライフスタイルを尋ねたりするのも情報を得る上で重要です。

将来の生活設計
 上述したことと重複しますが、本人の結婚後のライフスタイルへの希望は重要です。例えば、女性のほうは、収入は安くても安定した生活を希望しているのに、野心家で独立開業を目指している男性を紹介できるでしょうか。

性格
 これは、上述の事を聴いているうちに、仲人さんが推察するしかありません。あの人とこの人は合いそうだという判断材料となる重要な要素です。仲人の主観的なものに頼ることになりますが、多くの経験と研究心が必要とされます。

マッチング
 釣書を預かれば、できる限りすみやかにお見合いをセットしなくてはなりません。本人との面談によって得られた情報はメモしておくとしても、主観的なメモでは記録できない部分が大きいので、残っている印象が新鮮な方がマッチングの精度は増すのです。
 1通の釣書を送るのが原則ですが、仲人が迷った時は、本人に複数の釣書を送り、本人に選んでもらうのもいいでしょう。
 また、釣書と写真を複数用意していただくと、短期集中的にマッチングが可能となり、成婚の可能性が広がります。

 釣書を双方に送ったら、普通の郵便は一日で届きますので、考慮期間を含めても、釣書が双方に届いたとおもわれる翌日に電話を入れ、会うかどうかの意志確認をしましょう。
 このときに、双方に都合の良い日、場所を決めておくべきです。ベテランの仲人の場合、お見合い場所によく使うホテルなどは複数決めてあるものです。
 仲人のスケジュールの空いている日時と場所を提案すると話はスムーズにいきます。
 予約などの手配は、仲人がした方がいいでしょう。お見合いの経験の少ない人に手配をまかせると、とんでもない所になるかもしれないからです。
 お見合いは、本人たちにとっては精神的に負担がありますので、なるべく心配事を減らせる方がいいのです。

 また、お見合い後のデートコースを考えておくことと、デートの後は、女性の家に送っていくことなどのアドバイスをすることも大切です。いつもお見合いに使うホテル近辺のデートコースを例示してもいいでしょう。
 デートコースのアドバイスは、過去にお世話した人から聞いた情報を基にしますが、本人達の性格も考慮したアドバイスにするべきです。また、こういうアドバイスは、雑談形式で、それとなく言うのがいいとおもわれます。

お見合い当日
 お見合い当日は、仲人は当人同士より早く現地にいるようにしましょう。予約していないところであれば、場所を押さえることも必要ですが、当人同士は初対面なので、どちらの顔も知っている仲人が待ち合わせ場所にいるほうがいいのです。
 これは、待ち合わせを確実にするという意味だけではなく、本人たちの不安を軽減するのに重要なことなのです。

 双方の人(または両家)が揃うまで、待ち合わせ場所にいましょう。そして、双方の挨拶がすむと、お見合いするところに移動して。双方を対面になるように着席し、仲人は、その間に着席することになります。
 テーブルにもよりますが、本人同士が真正面ではなく、斜め向かいに向き合うようにする方が緊張がほぐれて、いいとおもいます。

 最初は、仲人さんが話をリードしてゆかなくてはなりません、本人の簡単な紹介と、両方の家のことを少し触れて話してましょう。
 そして、男女双方に、仕事、趣味、家のことなどをインタビューする形をとります。例えば女性にインタビューするときは、男性も発言しやすい形にもってゆくのです。
 要するに、初対面の2人が話しやすい環境にもってゆくのが目的なのです。また、当人同士が聞きにくい内容や、言いにくい内容も、様子を見ながら当然の質問のように聴きましょう。
 「○○さんは、今自分の持ち家に住んでいるの?」という感じです。
 これは、事前に分かっているのですが、質問された○○さんを持ち上げるための質問なのです。また、○○さんのお見合い相手も、そこが聴きたいとおもっているかもしれないのです。

 概ね仲人がリードする話は30分〜1時間なのですが、当人同士が打ち解けてきて、これで当人同士だけでも大丈夫と判断したら、それで打ち切ります。
 「このあとは、おふたりで。」というと、挨拶をして、その場はおしまいです。
 お見合いする人が「ありがとうございました、失礼します。」と言う間は、仲人は立席してもいいですが、座ったままでもかまいません。
 慣習上「お車代」というのを受け取ることになりますが、男性と最初にあつたときか、最後の挨拶前にさりげなく受け取りましょう。
 あまり仲人をしたことがない人は、遠慮をしたりしますが、男性がお車代を渡すところを強調してしまうことになり、女性が恐縮してしまうので、さりげなく受け取り、静かに礼を言いましょう。
 
 このホテルでの見合いの席の全部は男性が持つのは、ほとんどの地域の習慣です。男性が、レシートを持って清算に行き、清算が済んで、2人が外に出るのを見てから仲人は席を立ちましょう。双方の両親がいる場合は、双方の両親と、そのまま残って話をしてもかまいません。
 とりあえず、仲人、両親、本人同士が一緒に外に出るのはやめましょう。当人同士の姿が見えなくなってから出るようにしまょう。

お見合い当日の夜
 お見合いの返事は、原則当日ですが、お見合いをした時間帯や、考慮時間を考えて、翌日の夜というのが一般的です。
 当日、当人の一方から返事があった場合は、その日のうちに相手にもその旨伝えましよう。まだ返事が決まらないときは、もう一度だけでも会うようにすすめましょう。返事を明日に延ばしてもかまいません。
 お見合いの、翌日になっても当人達から返事のないときは、仲人から電話することになります。

お見合いの終了
 お見合いで、どちらかからお断りの返事があると、双方から釣書と写真を早急に返してもらうようにします。それで、ひとつのお見合いは終了です。
 そのまま成婚まで行くと、釣書はもう当人同士は返す必要はなく、仲人は婚約の報告をうけるだけです。
 なお、礼金は、婚約成立時あたりで適切な日に、当人同士が持ってくることになります。
 
 お見合い初日から、成婚まで途中で近況を尋ねてもいいのですが、どちらかが困った状態にならない以外は、仲人から連絡する必要はありません。しかし、1ヶ月目や3か月目などには、近況を尋ねることは必要です。アドバイスが必要なことも言うまでもありません。
 そのうえで、相当なタイミングで、男性にプロポーズを促したりしましょう。


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