4.結婚制度の意義(2)
どうして結婚するのか
 どうして、結婚するのか。その問いかけに対して、どのような答えが用意できるでしょうか。家庭を持つ事は当然。それに、社会的に一人前とみなされるし、信用もある。
 社会的通念というものですね。しかし、根源的な理由付けは難しいのです。それでは、同棲と結婚の違いは何でしょうか。
 同棲の場合は、同棲を続けるのも別れるのも自由であり、愛情が冷めればおしまい。仮に、男女どちらか一方が浮気をしても、結婚している配偶者のように不法行為として相手から損害賠償がもらえるわけでもありません。
 結婚には貞操義務や同居義務のような法的義務が課されますが(貞操義務は直接規定されていませんが離婚の正当化事由となったり、損害賠償の対象となります)同棲にはそんな義務はなく、同棲でなくても、別居していてもいいのです。

 もちろん、男女間の関係の安定というものが求められる場合もあります。例えば、専業主婦の家庭を考えます。長年専業主婦で子育てをしていたとして、ここで夫が浮気して別の女の家に転がり込んだとします。
 仮に、これが同棲だったらどうなるでしょうか。妻、子供の生活は不安定となるかもしれませんね。仕事から遠ざかっていた分、再就職できるかどうか難しいこともありますし、仮に子供を妻が引き取るとなると、経済的にも不安定となります。
 他方、夫の方も、妻が浮気して、他人の子供を出産して、他人の子供を育てる事になるかもしれませんし、それは嫌だという人は多いでしょう。再婚などで初めから承知していればともかく、だまされたのは許せないでしょう。
 
 結婚と言う儀式と、法的な形式によって、男女の結びつきを世の中に公示して、お互いの独占権を主張する権利を得ることによって、お互いの相手に対する地位を安定にするのは決して無用の事ではないとおもうのです。
 もちろん、同棲であっても、子供の養育費負担の契約などもできますので、子供の保護に欠けることは無いという意見もありますが。やはり、法的に強い効力を持つ結婚制度を利用した方が有利であるとはいえるのです。

無理やり結婚する必要はあるのか
 しかし、結婚制度を利用する意義はあるとしても、無理に結婚する必要があるのでしょうか。恋に陥って一緒にいたいと思い、さらに子供もできた。それならば結婚制度を利用してもいいでしょう。
 しかし、何も用事がないのに、相手を無理に探して結婚するのは、なぜでしょうか。
 人生設計、それもあるでしょう。結婚するということの意義は、各人それぞれの理由があるのです。一元的な基準はありません。その人の人生への考え方次第です。

 もっとも、結婚と言うものは人類はおろか、あらゆる生物にとって、ずっと営まれてきたことで、これに理由をつける事は無理があるのかもしれません。ただ、それに対する疑問が出てきたのも確かです。
 結婚の意義は、1人1人が新たに構築してゆくものかもしれません。

価値観の多様化
 上述のように、結婚に対する価値観や意義は、個人によってさまざまに多様化してきました。したがって、結婚に求めるものや、結婚後のスタイルも違ってきています。早く子供が欲しいと考える人もいれば、DINKS家族のように、自分たちの人生を大切にしようという人もいます。
 また、このような結婚観の違いから、従来のように一律的には結婚に結びつけられないことも多くなりました。

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