論文式はパクリが基本
 
 論文式試験というものがあるが、模範解答を見ると実にいい文章でまとまっている。テキストで読んだ知識があるだけであれを書けるものではない。
 文章を書くということは、実は暗記という作業でもある。学校で初めて作文をしなければならないとき、何を書いたらいいかわからないということはなかっただろうか。
 そのとき、人の書いたものを見て「ああ、このように書いたらいいのか。」と参考にしたら書けた人もいただろう。
 作家や文章の上手い人というのは、実は得意な話や知識や表現方法のストックがあって、それを頭の中から引き出していて、それをその場に応じてアレンジしているのだ。決してゼロから生み出しているのではない。

 実は、試験の答案も同じで、書き方や、書くべき知識を入れておかなくてはならない。表現方法もストックがあるのだ。
 勉強方法としては、模範解答を何回も複数読みこなし、要点は暗記するのだ。極端な場合は、テキストなど読まず模範解答を何回も読むことによって知識もついでに暗記してしまうのである。

 つまり、論文試験の答案は、模範解答集のパクリをすればいいのだ。問題文に応じてたくさん読んだ模範解答から知識や表現を借用して書くことが基本で、たくさん書くうちに自分なりのオリジナルで書けるようになってくるものだ。
 大学の試験で、問題集がないという場合、論文式なら、過去問を入手して、自分で模範解答を作り、それを読み込んでもいい。
 そういう模範解答を本番でいくつか組みあわせアレンジして書くのだ。

 数学も論文式の1つであるが、これも最初は模範解答を読んで理解したら(半分の理解でいいよ)、次は答えを見ながら解いてみる。答えを見ながらでも自分で解いてみることで初めて疑問ができるし、理解できることもある。
 そして、そのあとに、何も見ずに解答するという過程を踏むといい。これは、数学以外の論文試験でも同じ手順となる。

 さらに、模範答案というものは、いろいろな知識がわかりやすくまとまっていて、テキストを読んで理解できなかったものでも詳しく書いていたりして、そこで理解できることもあるのだ。

 英語だって同じ、先にたくさんの訳例や、英作文の文例が頭に入っていないと、解くことは難しい。英文解釈の問題集や参考書で、最初に自分で訳そうとする人がいるが、辞書無しでその文章が訳せる人は別にして、時間の無駄だからやめたほうがいい。
 自分のレベルで英文と訳文をよく検討してから、答えを見ながら解くということをした方が効率はいい。
 学校では訳文なしの英文のみのテキストを使ったであろうが、あれを辞書のみで訳してゆくのは、ある程度英語ができるレベルでないと時間の無駄以外の意味はない。
 もちろん、辞書には必要な知識はほとんど書いてあるが、辞書の引き方は、あるレベルになってから、そのような期間を設けてから練習すればいいことだ。