サブノートについて
 
それどうするつもり?
 私が大学生のころの話です、大学では前期と後期があって、あるとき前期試験の成績が悪い学生がたくさん出たので、特に進級が危ぶまれる学生をセレクトして学生委員の教授が私を含めた何人かを呼び出しました。そして、「明日全科目のノートを持ってこい。」というのです。

 そう言われた何人かの学生は、ノートを持ってきました。私は40枚ノートの講義ノート各一冊ずつ、サブノートなしで、「まあ、講義は一応出ているね。とにかく講義だけは出ろよ。」という感じだったのですが・・・。

 なんと、その中の1人は「自分はちゃんと勉強しています。」と先日の面接で言っていたのですが、今日は誇らしげに膨大な量のサブノートを持ってきたのです。一科目半年分なのに、分厚い70枚ノートで5冊とか・・・・。
 これに対して教授は絶句してしまいました。当の本人は誇らしげでしたが、ここに呼び出されている以上は怒られること以外に何もないわけです。

 教授は唖然としたその次に笑いながら彼に言いました「君ね、この分量本当に覚えられるの?」

 この話はここまでなのですが、どんなに立派なノートを作っても覚えていないなら話にはならないわけです。なんと1科目700ページにも及ぶ大作のノートを作っても、私のように講義ノート50ページ程度でも、こと当座の前期試験に関して必要な内容はたいして変わりません。
 私はさらに、後期試験ではサブノートはレポート用紙10枚程度にまとめました。再確認の必要のある部分を以外知っている知識を除き、暗記すべきことのみ10ページにしました。
 10ページなら1時間で全部目を通せます。ここだけ完璧にということも可能なのです。

 それに対して、何百ページもあると、私が一通り目を通している間に試験範囲の1割も目を通せないでしょうし、その分量から中途半端な知識で終わったりします。

 まったく、サブノートも何のために作るのか目的を決めないと何の役にも立たないわけです。そもそもサブノートって必要なんでしょうかね?
 私は、学校の先生が目に見える形で生徒を管理するために強要しているものとしか思っていませんが、以下ではいったんサブノートを否定せずに話を進めます。

暗記目的
 テキストは量がたくさんあって、読むのにも時間がかかります。そこで、暗記すべきものを抜き出して、暗記するべきものをノートにします。こうすれば、テキストを参照するよりも素早く目を通す事ができます。
 この場合は、箇条書きのノートになる事が多いでしょうが、自分で暗記しやすい方式でいいとおもいます。ある期限までに実際に暗記しうる量にとどめて、量を多くしすぎないというのがコツです。

理解目的
 テキストを読んで、内容を理解するまで読んで、それを整理するというタイプです。内容をまとめるという作業は、かなり理解しなくてはできませんから、ノート作成という作業のために何回も本を読んで考えなくてはならないですし、ノート作成自体が理解と理論力養成に役立ちます。
 また、自分の理解したノートを読み返すので、その理解の保持に役立ちます。
 いろいろな本を参考にして、まとめてもいいのですが、単に、テキストを要約するという作業でも可です。
 しかし、この手のノートは、要約のみの作業の場合を除いて、時間がかかりすぎるのと、特に学習が進んでいないときは誤解ノートになる危険もあります。
 もっとも、このような要約というものが誰でもできるものか疑問ですね。要約しようとしてもできない部分があって挫折した人も多いのでないでしょうか。
 また、あまり他の本も参照しすぎると、元のテキストよりも量が増えすぎるので、期限までに暗記できない量になる危険もあります。

データベース
 前述した、いろいろな参考書などを写したようなノートです。教科書+講義+参考資料をまとめたものですね。
 いままで目を通したものを、あちこち見る必要の無いように一つにまとめたというものです。
元のテキストよりも分量が多くなることが多いでしょう。
 これは、サブノートというよりもデータベースといえるものですね。

私の私見
 受験生によって、設定された期間も環境も違いますので、一概に時間がかかるので駄目とはいいません。しかし、時間が無い人は、データベース的な大きなノートはお勧めしません。
 参照文は、メインのテキストなどにチャートP.112とか参考書名とページを書き込んでおくといいのですから。
 理解目的のノートもいいのですが、自分に与えられた時間を考えて、量が多くなりすぎないよう注意する必要があります。
 お勧めは、暗記すべきものを暗記しうる量のみをまとめる形のサブノートがお勧めです。
 勉強といっても暗記しないと点にはなりませんし、理解だけで暗記していないと答案は書けません。要点抜き出し型でも、要点をまとめる作業は必要となりますから、理解目的もある程度達成できます。
 さらに、量を増やす作業よりも、量を絞る作業の方が、要約するのに思考力が必要になりますから、理論力が鍛えられます。

 私はサブノート否定派なのです。一例を示すと、メインのテキストを決めておき、要約して、要点となる部分に青ライン、暗記するべきところは赤ライン。参照すべきものや、そのテキストの足りないものは書き込みか、参考書名とページ数を書き込めばデータベース型も満たすのです。
(私は、アンダーラインも原則否定派ですが。)

 それと、サブノートは誤解ノートになる危険があります。せっかく暗記しても、間違った事や要点をはずした事を暗記していたのでは点にはなりません。
 もしサブノートを使うなら、自分で作らずに既製品を使うことをお勧めします。
 上の記述で、理解目的とか書きましたが、それは、問題集をたくさん解けば、自分の誤解もはっきりします。
 理解したところをまとめられるのは、時間と学力に余裕がある場合なのです。
 原則として、サブノート製作=教材を作る事ですので、ノート作成は勉強ではありません。勉強の準備をする事なのです。したがって、勉強時間に含めてカウントしないのがルールです。
 1日5時間勉強したとしても、そのうち3時間ノート製作をしたなら、実質の勉強時間は2時間ということになりますが、それ以前に教材作りを勉強時間に入れては駄目ですね。