講義の利用方法

講義の利用方法
 講義の受け方は、ほとんど前のページ「勉強は暗記」のところで書いてしまいました。ただ一口に講義(高校以下の学校では授業)といっても実はいろいろなものがあるわけです。そして予習・復習といってもそれによって利用する側の対応も変わってきます。

 知識を得るというだけなら、教科書を読んでもできるのですが、自力で教科書を読んで勉強する場合はその教科書の内容を理解するための予備知識、わからない事ができたときにそれを補う知識もいろいろと別の本を何冊も調べていかなくてはなりません。
 それを短時間でまとめて教えてもらえるのが講義で、自力でやるよりは効率がいいといわれています。
それでは、いろいろな講義について書いてみます。
 
基礎講座
 この種の講義は、資格試験の科目で初めて習うものとか中学1、2年までのうちの基礎知識というものです。
 本を読んだら得られるものも多いのですが、さらに初めての人にわかりやすく説明するためのものです。後で受ける講義の前提知識を仕入れる過程ですから、この講義のさらなる前提というものはあまりありません。数学で九九ができないというような極端な場合は別ですが。

 多くの人は、新しい概念を一発でインプットできるわけではありません。予習としては、あらかとじめ1度は講義中の範囲のテキストを読んでおくことをお勧めします。講義中に何の話をしているのかわからなくなるのを防ぐためにも有効です。
 復習は、講義ノートやテキストをもう一度読み返して理解を再確認し、最後はもちろん暗記です。暗記という作業がないと講義は受けなかったのと同じです。

普通の講座
 普通のというのが難しいのですが、学生の人は皆さんが通っている学校のレベルにあわせて授業が進められるわけです。もちろん、先生によってレベルの設定は違う事でしょう。
 この場合は、それぞれのレベルに応じて、前提知識とか予備知識を入れておかなくては授業を理解することすらできません。
 前述したように。人は新しい事を1回聴いたらそれで理解できるものではありませんから、講義の予定部分を読んでおくことはもちろん、それを理解するのに必要な前提知識も仕入れておく必要があります。復習のみでOKとはならないものですし、講義で全部理解させてくれるという期待をしてはいけません。

 講義を受けるだけで予習は不要という講義は上の基礎講座に該当する要素が強くて、限られた時間の中で前提知識部分も講義するとなると、レベル的には低いレベルになることが多いようです。

 復習は上と同じで再述する必要はないでしょう。

講義のレベル
 社会人が資格試験のための講義を選ぶときや学生が予備校や塾の講義を選ぶときに、「あの講義はわかりやすい。」とか、「あの講師はわかりにくい。」とかレベルの高低の話をします。

 ところで少し待ってください。講義にはレベル設定というものがあります。例えば司法試験で合格レベルの講義と言うと、合格率からしてもレベル的にも全受験生の数パーセント以外はそのレベルに達していないわけです。

 もっと噛み砕いて言うと、大学入試で東大を目指す講義を組むとします。ところが、講義の時間というのは年に何十時間と限られています。そして、その時間の中で「これだけのことがクリアできたら東京大学合格レベル」という講義をしないといけないわけです。
 そうしたら、講義を聴くのに必要な予備知識なんて説明している暇はありませんし、そんなことをされたらそのレベルの受講生は退屈で無駄な時間を過ごすことになります。
 そのレベルの受験生は全員その講義を聴くための前提となる知識は持っているものとして講義を進めなくてはならないわけです。
 そうしたら、そのレベルに達していないか、前提知識のない受講生は理解できなくし、付いてゆけなくて当然なのです。

 自分のレベルよりも高い講義を受けることは否定しませんが、その分事前に仕入れておくべき知識は増加するので予習は大変だということになりますし、司法試験なら合格レベルでなくても1時間の講義に予習15時間は必要といわれていますし、そのレベルにない人は、その何倍もの予習をしていないと講義で何を話しているのかもわからくなるでしょう。

 逆に予習をあまりしなくてもわかりやすい講義というものは、難解な部分を飛ばしてしまい、誰でもわかるぶぶんだけ本来予習で仕入れておくべき予備知識まで説明してしまうというものが多くて、レベル的には試験には直接役に立たないこともあるわけです。
 それでも、あまりにも苦手科目や初学者にはいいかもしれません。

講義の選び方
 前述したように、同じ科目の講義でも、レベルがいろいろあり。試験勉強では合格水準のものから基本的知識を説明する講義までいろいろです。
 ただ、本当に自分に合わない講義は時間の無駄になりますので、講義選びは大切です。
 本当は過去の受講生の感想や、合格率などのデータ参照も必要なのですが、やはり実際に受けてみないとわからない部分は多いです。お試しで何回か受講できる場合もありますから、そういうのがあれば受講してみるべきです。レベル以外にも説明のしかたとか講師との相性という問題もありますから。

 ただ、正確に最初から自分に合った講義を見つけることは不可能に近いです。使用テキストや予備校のPR文、レベル設定、体験談を参考にするしかありません。
 レベルが低めならいいのですが、高めの時は、自分で予備知識を入れる時間を増やすなど自分の方の対応が必要になると思います。
 そういう予復習にかけられる時間を考えて選ぶしかありません。
 自分の学力に合わないと、講義は理解できなくて無駄になるのであまり無理をしないことです。実現可能なスケジュールを組みましょう。
 それでも講義についてゆくために無理をする必要があるでしょうから。
 高校以下の学校では講義の選びようもありませんから、これは必死で頑張るしかないでしょう。
 もし、今どの授業も未消化というなら、消化できる授業を1つ1つ増やしてゆくしかないでしょう。