ライブレポート LIKE A FUSE OF LOVE
なら100年会館

                            

タイトルの意味

昨年のWishツアー、その集大成と言えるRitsライブ。
多くのオーディエンスの心に深く思い出を残してきた倉木麻衣。
 果てしなく成長を続け、2005年3月に立命館大学を卒業し、
専業のアーティストとして歩み始めた倉木麻衣が、
ニューアルバムFUSE OF LOVEを引っさげ
今度はどんなライブを見せてくれるのだろうか。

当初、このツアーのタイトルはLIKE A FUSEだった。
FUSEとは導火線の意味であり、
このライブのコンセプトはダンサブルな曲を揃え
倉木麻衣のパワーを前面に出すものになると予想できた。

しかし、昨年のWishツアーも、当初のコンセプトはそうだった。
また、倉木麻衣への期待としては心に響く歌を求める人も多い、
そういうこともありLIKE A FUSE OF LOVEと改められたと推察もできる。
全ては、ライブ内容を見ればわかるかもしれない。

ライブ開演

倉木麻衣のライブツアー初日は、まだまだ準備不足なこともあり、
不満が残らないではない。
しかし、倉木麻衣がこのツアーで何をしたいのかがわかりやすいライブともいえ、
その意味では注目に値する。

最近の倉木麻衣はCDの販売枚数も低迷し
ニューアルバムFUSE OF LOVEも多くの人の支持を受けられないでいて、
曲の内容も、その程度であろう。
しかし、アルバムとライブでは曲の印象も違う。

今回のライブではFUSE OF LOVEの曲が歌われることが多いだろう。
どのようなライブを倉木麻衣はするのであろうか。

私は、倉木麻衣のファンではなく
単に倉木麻衣を愛するものとして倉木麻衣ほ見守るべく
なら100年ホールの2階席で、じっと開演を待っていた。

1.ダンシング

オープニングはダンシング。
完全にやられた。

倉木麻衣の気合、意気込み、
全身からあふれ出るパワー。
全身でオーディエンスに表現している倉木麻衣。

遠い席なのにビンビンと伝わってくる。
CDで音を加工したものより
倉木麻衣が力の限り歌う方が
よっぽどダンシングというにふさわしい。

ライブ前の私の予想ではI sing a song for you
またはニューアルバムのオープニングの
Honey,feeling for meかとも思われた。

それは、ライブの前半に静かな聴かせる曲を持ってきて
後半に向けて盛り上げてゆこうとすると思っていたからだ。

しかし、今回は最初からアップテンポで
いきなり攻めてきた。

2.Key to my heart

この時点で私のFUSEは全て吹っ飛んだ。
Key to my heart、
そう、私はこの曲を聴くためだけに
倉木麻衣のライブに参加しているといっても過言ではない。

ほのかな恋心を感じさせる曲ではあるが、
人と人の繋がりという意味では
このツアーにふさわしい曲だ。

3.Everythings's All Right

この配列には参った。
先のツアーのとき
Key to my heartと、Everything's All Rightは
連続で来た方がいいと思っていたが、
今回は見事にひっついた。
ダンシングからの流れもよく
このあたりで興奮が最高潮となる。

MC
「みなさん、お元気でしたか。みなさんに会えて嬉しいです。
本当に楽しみにしていました。」

本当に倉木麻衣はファンと再会できて嬉しそうに言った。

「みなさんに報告があります。
今年3月に無事大学を卒業しました。
これも支えてくれた皆さんのおかげです、
ありがとうございました。」

「ここ、なら100年会館は1999年に建てられ
私のデビューした年とおなじで、
この、なら100年会館から
皆さんと一緒にツアーがスタートできること、大変嬉しく思います。」

4.P.S MY SUNSHINE
5.LOVE SICK

軽快な曲2連発。
割合に盛り上がるLOVE SICKがこれほどいい曲とは・・・。

6.You look at me
7.Love,needing

8.Don't leave me alone

最初のヒートアップしたところから、
だんだんと落ち着いた曲調に変化してゆく。
この流れは見事だ。

ここで特筆すべきはLove,needing
私は、濁音を強調するのは汚いと思うし、
but butの部分は難しいと思ったが
この日の倉木麻衣は、それを感じさせないように
流れよく歌いこなした。

もうここまで来ると、
自分の移動可能範囲でギリギリ前まで身を乗り出し
私は、どうして1階の前の方にいないのかという気になってきた。

曲間の拍手を、いつまでもやめたくない。

が・・・、ここでメンバー紹介。

Come one ! Come one !の曲により
新メンバーを中心にメンバー紹介が続く。

そして、メンバー紹介が終わると
スクリーンに空を轟かせる稲妻の影像。
そして、白から赤のシャッに衣装変えした倉木麻衣登場。


9.駆け抜ける稲妻

ライブ後半のオープニング。
本当に快調なライブ進行、
倉木麻衣がノリにのっているという感じだ。
ここにいるだけで楽しくなってくる。

「ここからは、バラードが続きますので、
みなさん、よろしければ座って聴いてください。」

10.I sing a song for you

なんということだ。
バラードではあるが、力強く歌われ
聴衆を引き付ける力かが格段についている。

11.happy days

倉木麻衣の思い入れの最も強いであろうhappy daysを
ゆっくりと切々と歌い上げる。

12.明日へ架ける橋

MC
「みなさん、楽しんでますかー。」
「今回のツアーは心と心のつながりを大切にしたいと
LIKE A FUSE OF LOVEと名付けました。」
「みなさん、立ち上がって私の手拍子の後に続いて手拍子していただけますか?」

倉木麻衣の手拍子に合わせて
会場の位置別に異なる手拍子をして全体を一体化させる。

「みなさん、初日からいいですね。」
倉木麻衣も楽しんでいるようである。

「この後は昔の歌を歌います。
みなさんの思い出などを思い出しながら聴いてください。
口に出して歌っても、心の中で歌ってもかまいません。」

13.Time after time
14.Secret of my heart

15.Dericious Way

「ここから、盛り上がってゆきましょう。」

16.Stand UP
17.Feel fine!
18.always
19.Stay by my side


Stay by my sideが最後というのは、
斬新で、かつライブに余韻を残すということで
いい形だと思う。

会場が一体とはいかないが、
Mai-K.コールが、惜しみなく会場に響きわたる。

アンコール後

20.Love,Day After Tomorrow

MC
「みなさんと、是非一緒に歌いたい曲があります。
ニューアルバムFUSE OF LOVEの最後の曲で
chance for youを一緒に歌ってください。」

21.chance for you
 
22.Honey,feeling for you

この曲では曲中MCがあり
「みなさん、今日はありがとうございました。
ツアーファイナルまでがんばってゆきたいと思います。」
という感じのことを言っていた。

最後の挨拶
「みなさん、ここなら100年会館で、
みなさんとツアーのスタートをきれたこと
とてもうれしく思います。
それでは、気を付けてお帰りください。」

(注)倉木麻衣のMCについては、正確に記憶しておらず
正確さに欠けております。

総評

このライブでは、最初に爆弾をもってこられて、
私の心は打ちぬかれてしまった。

私は全公演に参加し、
最初の奈良、名古屋は後ろでゆっくり聴くつもりだった。
しかし初日から、そうはいかなくなった。

上階席の私は、最初座って聴いていたが
もう、とても座って聴いてはいられなかった。
こんなに興奮したのは人生で初めてではないだろうか。

最初座っていた私は、どんどん身を乗り出し
手振りも大振りになって、
ついに立ち上がり、かつてないほどの大振りで
倉木麻衣にアピール。

自分の存在を倉木麻衣にPRする意味もあったが、
倉木麻衣の歌に対する、素直な聴衆の反応であった。

演奏が終わり、拍手をしても、拍手をやめたくない。
そんな感じのライブであった。

アンコールでのマイケーコールも
誰よりも先に手拍子とマイケーコールを始めた。
これだけ声を出したことはない。

今まで倉木麻衣のパワーをこんなに感じたことはない。
鬼気迫るとは、こういうことを言うのだろう。

特に私の場合は、ニューアルバム「FUSE OF LOVE」に
あまり好意的な評価はしていなかった。

しかし、このアルバム収録曲を中心として繰り出されるライブは、
その一瞬、一瞬が新しいページをめくるように、
とても新鮮な感動を呼び起こした。

自分の中では評価が低かった曲であったのに、
倉木麻衣本人が、ことごとくその評価を覆し、感動を与え続けた。

曲種としては、感動して涙するものではない曲でも、
興奮と感動で涙してしまった。

本当に、倉木麻衣のライブアーティストとしての
すごさを改めて感じさせるライブだった。


セットリストなどについて。
私の想定は、昨年までの前例をもとにしているが、
今回、そういう既成概念は役に立たなかったようだ。

演奏曲は、ニューアルバム「FUSE OF LOVE」のものがメインとなるが、
既成曲との折り合いもあり、どのように配置するかは注目された。

アンコール前の部分については、
流れもよく、興奮の持続という点でも優れ高く評価できる。

しかし、メンバー紹介後の曲順は、少し雑然としていた感じがする。
定番曲の扱いが難しいイメージを受けた。
今後のライブでの課題となろう。

ただ、難を言うと
新メンバーということで、リハーサルや打ち合わせの時間は
十分に取れたのかという問題は解決していないように見受けられた。
演奏技術以前に個々のメンバーがスタンドプレーしていた印象もあった。

それと、ミキシングの問題で、
倉木麻衣のボーカルとバックバンドとのバランスはよくなかった。
PAに難があったように思う。

パンチ力を引き出そうとしたのだろうが
倉木麻衣の歌は、そこが魅力ではない。

MCも、かなり慣れてきていて、
倉木麻衣なりのトークが身についてきていた。

しかし、「ファンは家族です。」という発言はしない方がいい。
本当にそう思っていてもヨン様が先に言ってしまっているので
真似をしているととられてしまう危険があるからだ。

次に、ライブ進行、個々のライブパフォーマンスについては、
格段の進歩を見せ付けた。

いろいろ書いてきたが、倉木麻衣の熱唱に
細かい技術論は無意味なのかもしれない。

それにしても、
この日ほど、1階の前方でなかったことを後悔した日はない。

ろばさんの部屋 > L・O・V・E DOOR