ライブレポート(グランキューブ大阪2日目)

仕事もそこそこに

 倉木麻衣の地元大阪でのライブ、倉木の地元でもあるし、私の地元でもある。意外と地元のライブではいい席は取れない。たまたま入手したチケットが良席ならいいが、チケット古物商やオークションで高額なチケットを取ってまでは行けない。
 なぜなら、きちんとオフを予定して行くのと違い、地元では仕事が終わってからゆくことになり、仕事でトラブルがあったり、どうしてもその日に残業しなくてはならなくなったりしてライブに行けない事態も生じうるからだ。
 ライブの日は、定刻に勤務先を出られるように、仕事に支障がないように前日までに仕事を頑張る、若い人はそわそわすると聞くこともあるが、やはり後でトラブルにならないように普段より慎重に仕事はしてしまう。

 倉木麻衣の歌は魅力だが倉木麻衣を知らない者から見ると、ただの21歳の若い女性歌手だ。倉木麻衣の中高年ファンとしては、ライブに行くことを決心するには障害がある。多くは何らかの用事をでっちあげて事前に早退すると勤務先に届けているのだろう。
 私は、倉木麻衣のファンであることを公言しているが、普通30歳代までならまだしも、40歳代になるともう隠れキリシタンのような存在になってくる。

 倉木麻衣のライブは言うまでもなく歌が商品の本体なのだ。MCやダンスというの単なる付属品にしかすぎないのが原則だ。

 しかし、ライブは会場の盛り上がりがアーティストに影響をあたえるし、会場の聴衆の気持を盛り上げるにはそれなりのライブパフォーマンスも必要だろう。
 そこで、私はアンケートなどや倉木麻衣本人の煽りというものを取り入れてみればどうかということを書いたこともある。
 去年の平安神宮ライブなどは、わずかながら本人による煽りもあった。今まで会場の煽りはJeffreyがしていて、ライブに独特の雰囲気をかもしだしていた。倉木麻衣は歌を歌うだけだった。
 ところが、このライブは1日で変わった。

ライブ開演

今日は前から8列目、2日参加のときは、1日は前の方の席で聴くことにしている。スモークが煙たいのが難点であるが、8列目ではほとんど煙たくない。
 それにしても、今日は開演が遅い。やっと、会場が静かに暗くなり、ハートにカミナリのロゴが光り、雷鳴が響く、たくさんのブルーのライトがランダムに会場を照らし、幻想的音楽が流れる、そしてメンバーが配置につきTime after Timeの前奏が始まる。


1.Time after Time
 舞台は2段になっており、上段から倉木さんが歌いながらせり上がってくる。背後のスクリーンでは桜が散る映像。この曲では手拍子が入る会場と入らない会場があるが、曲の内容からして手拍子は入れるべきではないだろう、史上最も美しい曲なのだから。
 
2.Love,Day After tomorrow
 なぜ、この曲をここに持ってきたのか理解できるようなできないような。とりあえずライブ会場は盛り上がる。倉木にとって必殺技ともいえるこの曲を序盤に持ってくることによって、観客の一体感を出し、聴衆の注意を完全に舞台に向ける意図があるのだろう。

3.Secret of my heart
 これも定番の曲だ、ただアレンジについては、Loving You tourの方がいいと思う。曲の終わりのベースの音を強調しすぎ、倉木の歌唱のみで静かに終わるべきだと思う。

4.Can’t forget your love
 前にもかいたけれど、最初の尼崎公演では全体的にアップテンポで倉木麻衣の力強い歌声を前面に出し、倉木がダンスのみを披露する場面も見られた。聴かせるライブよりも、ダンスや見せるライブという傾向があったがこれでは、倉木の魅力は半減する。この曲はその名残りでアップテンポにアレンジされている。
 倉木の力強い声を活かすには、このアレンジで妥当だったかもしれないが、この曲自体は、そのようなアレンジをしてほしくない曲であった。

MC 「こんばんは、倉木麻衣です。尼崎から始まったこのライブも、とうとう大阪に帰ってきました。今日は最後まで熱く盛り上がりましょう。」

5.風のららら
 この曲は申し分ないが、ややパワーを出しすぎる感がある。もう少し抑えてもいいのではないかと思う。

6.mi corason
 倉木が後ろの階段上部に座り手拍子をしながら歌い始める。mi corasonとは、私の気持ちという意味だ。

MC
 「そう、尼崎からスタートした、Wish You The Best Grow,Step by Stepも大阪に戻ってきました、Grow,Step by Stepはみなさんと一緒に少しずつ成長してゆけたらなという気持で名づけました、ここ地元大阪でライブができることとても楽しみにしていました。今日は最後まで楽しんでいってください。」
 
7.Tonight,I Feel close to you
8.The Rose
9.PERFECT CRIME
10.NEVER GONNA GIVE YOU UP

11.Stepping ∞ Out

 うーん、どうしてこの配列なのだろうか。バラード2連発の後にいきなりアップテンポの曲が続く、Stepping ∞ Out はいいとしても、PERFECT CRIME、NEVER GONNA GIVE YOU UPのアップテンポ版というのは、メンバー紹介の後のアップテンポの部でいいと思う。
 または、Love,Day After tomorrowをトップに持ってきて、その後に続けて会場を盛り上げ、その後にTime after Time以下を続けることもありえたと思う。


BLACK OR WHITE 
 Jeffreyが歌い、メンバー紹介。

12.I don’t wanna Lose you
13.key to my heart
14.Everythings's All Right
15.Brand New Day


16.Delicious Way
 この曲がワンコーラスだけというのはどうかと思う。倉木に時間的制約があるのだうか。外国アーティストのライブからすると、かなり短めのライブなので再考してほしいところだ。
 ライブをもう少し長くするなら、この曲をフルコーラスにするとともに、びわ湖公演だけ歌われたReach for the skyを前半に入れると、ライブ時間が短すぎるという批判は少し減るだろう。

17.Come on!Come on!

18.Stand UP
 メンバー紹介後には、今までの倉木と違うところがある。そう、ときおり「楽しんでますか。」というコメントが入っているのだ、そして聴衆に応えさせることによって、煽りをかけている。そして、このStand UPでは、特に倉木の会場への煽りが見られ、さらに昨日までの公演と違う。

 「楽しんでますか〜。」と声をかけ、聴衆から歓声を引き出し、そのなかで上段舞台に駆け上がる。ここで一気に会場のボルテージは頂点に向かう。昨日までは、上段に駆け上がるというのではなく、ステージ中央にいたのだ。

 この倉木からの聴衆への問いかけのタイミングも舞台での立ち位置など計算されつくしたかのような演出である。1日でこれほど変わるとは思わなかった。

19.Feel fine!
 会場のボルテージが最高潮となって、この必殺技ともいえる曲を続けるのは最高の演出なのだが、「これが最後の曲です。」というので聴衆は少しがっくりとくる。
 しかし、最後の曲と宣言しないで終わると暴動が起きそうなくらいボルテージが高いので、それは仕方ないかもしれない。

暗くなった会場の中「マイケー、マイケー」の大合唱。

アンコール後

19.明日へ架ける橋
 MC 「新曲の、明日へ架ける橋聴いてください。」
 他の曲でもそうなのだが、倉木麻衣は新曲リリースしてから半年くらいすると歌いこみが十分なレベルになると思う。この曲もこの時点で特に欠点はないけれど、何か足りないように思う。歌の最後の部分でインターバルをとるようになったりライブ中に工夫は見られる。

 MC「尼崎からスタートしたWish You The Best Grow,Step by Stepもここ地元大阪に帰ってきました。このライブを通じてみなさんとともに少しずつ成長してゆけたらという思いで付けました。そう、私も今年で5年目となるのですが、この5年間あっという間でした。時が経つのは速いのですが1日1日大切にしてゆきたいと思うのです。そんな思いで書いたStay by my side聴いてください。」

20.Stay by my side
 最初の部分はアカペラで楽器の助けなしで歌い、徐々に楽器が増えてゆくという趣向。
 尼崎など序盤は紅白と同じバージョンのフルコーラスだったが、途中から序盤は倉木麻衣1人だけの歌唱で楽器やコーラスの力を借りることなく、しっかりと切々と歌い上げ、途中からピアノだけの伴奏がポイント的に入り、次にコーラスが入り、2番からは通常の演奏が入り除々に盛り上げてゆく構成となっている。
 前回のライブでは、ボイスバージョンでアカペラをしているし、この曲で倉木麻衣の声質や伸びのある声を活かすには、このような形は当然の流れかもしれない。

21.always
 この曲は定番曲のひとつ。会場は一体となる。この曲は不思議な魅力があって、ライブ全体の感動を集約してひとつの感動にしてしまう。

終演の挨拶ー全員でー

さらに、倉木さん1人で挨拶。
 「会場のみなさん、ここ大阪でみなさんと一緒にライブができて、みなさんに会えて楽しめたこと本当によかったと思います。尼崎からスタートしたWish You The Best Grow,Step by Stepも、ここ地元大阪に戻ってきました。あと少しずつでも最後まで成長してゆけたらと思ってます。」
「みなさん」マイクを外して「ありがとうございました。」
「今日は、みなさんと会えてよかったです、それでは気をつけてお帰りください。」

 倉木麻衣のライブには、これでいいということはない。最高のライブをしても、もっと聴衆に訴えかける工夫はないか、もっと聴衆を喜ばせる方法はないか常にもっと上を目指すライブを目指している。
 倉木麻衣は、倉木自身の技術とともに限界なくライブも成長し続けているのだ。


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