ライブレポート(横浜2日目)
                            
長い待ち時間
 横浜ライブの2日目、昨日のライブは今までになく凄かった、どうしてあんなに思いを込めて歌えるのか、今日も期待できる。
 それはともかくとして、新横浜に一泊した私は、午前10時にはホテルをチェックアウトしないといけないが、夕方のライブまで予定は何もない。雨でも降られると大変だ。
 今回のライブツアー参加には予算は立てていたが、「少ない予算で最大の成果。」をモットーとして予定を立てている。
 予算ゼロで夕方までを過ごさなくてはならない、本当はクアハウス平和島で温泉とマッサージで疲れを取りたかったが予算はない。

 ホテルをチェックアウトすると私はライブ会場のパシフィコ横浜に行った、今日はライブ終了後すぐに新幹線に乗らなくてはならない。会場近くで荷物を置くコインロッカーを探したのだが、結局見つからなかった。(桜木町駅のコインロッカーに入れる。)

 とはいえ、予定も金もない。ふと過去の例から倉木さんは海に向かう習性があるから、私は山下公園あたりをうろつくと倉木さんに遭遇するかもしれないと思い、山下公園に向かうが当然会えず。(実は中華街が正解)
 昼食は500円の立ち食いラーメンですまし、再びパシフィコ横浜へ、ライブまでは長い、みなとみらいの公園の一角のベンチに座り商法総則の本をひたすら読む。

 午後2時ごろから会場近くに人が集まりはじめる。午後3時ごろライブグッズの先行販売が始まる、私には買うべきものはないのだか、港が寒いのでホール内に。3時半ごろ先行販売は終わり、いったんホールから全員出される。
 開場の4時まであと少しだが、4時15分前くらいから入場が始まり私もホールに入る。開演1時間15分前。

ライブ開演
 大会場で聴衆が席に着くまで時間がかかるので開演は遅れ気味だが、今日はほぼ定刻通りに開演。私は1階センターの前から12列目。
 会場が静かに暗くなり、ハートにカミナリのロゴが光り、雷鳴が響く、たくさんのブルーのライトがランダムに会場を照らし、幻想的音楽(海の中をイメージするような。)が流れる、その間にメンバーが配置につきTime after Timeの前奏が始まる。

1.Time after Time
 舞台は2段になっており、上段から倉木さんが歌いながらせり上がってくる。背後のスクリーンでは桜が散る映像。
 観客から拍手と歓声。
 私は、拍手は仕方ないとしても歓声には少し怒った。今までの倉木さんのライブにはないことだ。倉木さんが歌っている最中に声をあげる者はいなかったからだ。
 もっとも、すぐに会場は静かになり倉木さんの歌に引き込まれる。
 聴衆よりも倉木さんの歌が勝る。抜群の歌唱力。これに聴き入らない人はいない。

2.Love,Day After tomorrow
3.Secret of my heart

 なんと、いきなり定番メインの曲2連発。ここでファンの思いを爆発させる。(倉木さんの思いも、まもなく爆発する。)

4.Can’t forget your love
 この曲は今回のライブでアップテンポにアレンジされていて、本来のように終始静かに歌った方がいいという意見が多いように思う。
 しかし、今回のライブを何回か通してみても、また、途中からセットリストから消えた曲を考えてみても、当初のコンセプトは全体にアップテンポでダンスに力を入れて、会場全体で一緒に踊って歌えるノリのよさ重視だったと思われる。そうだとしたら、全体の流れの中でこの曲はこのアレンジになったと考えられる。

 当初のコンセプトからすると、このアレンジもありなのかなと思う。しかし、倉木麻衣にバラードや魂が伝わる歌を期待しているファンも多く。昨年秋のスペシャルライブのように全体的にゆっくり歌って聴かせて心に響くライブを期待していたファンも多いのだ。
 倉木麻衣のライブでは、ファンのアンケートやスタッフの反省会で毎回修正されて曲目なども変化する。
 おそらく、ファンの声で、全体にアップテンポの構想が維持できずに前半バラードで後半に向けてアップテンポという構成に変化させざるをえなかったのではないかと思われる。

倉木さん大爆発−必死の思い−

MC
 「こんばんは、倉木麻衣です。今日は最後まで一緒に盛り上がりましょう。」
こんな挨拶は、いつもどおり。それと横浜について少し喋る。

 後で分かるのだけれど、倉木さん大爆発の前ふりがある。
「3階のみなさんは私が米粒のように見えるでしょう。3階のみなさん聞こえますか〜。」
「・・・反応小さいですね。3階のみなさんにも届くように歌います。」

5.風のららら
 いつもより気合が入っている、そんなに声を出して大丈夫かと思うほどの熱唱、ボイストレーニングの成果は別にして、歌の性質から発声は抑えて歌うこともある。

 倉木さんの場合はボイストレーニングは別にして、100%の声量で歌う事は少ない。例えて言うと自動車が公道や高速道路で時速100Km以上で走ることはなくても時速250Kmの性能を持っているのと同じく、力を安定させるためのトレーニングと実際の歌は別なのだ。

 今日は力を入れすぎ演歌歌手が思いっきり声を出して伸ばすように、力いっぱい発声をして力があまり過ぎて音をはずしそうになったりした。
 気合が入っているとすぐにわかる。この場合では、たとえ音を外しても決してマイナスではない。そういう余った部分は観客の心に訴える。

6.mi corason

MC
 「私の心が3階の人にも届くように歌います。」

 倉木さんは本当にファンの心が分かっている真のエンターティナーだ。実は倉木さんはこの大会場に不満があった。運悪く3階の席になってしまったファンのことを気にしていた。
 3階の後ろの人でも、せっかく自分のライブに来てくれた人を何とかして楽しませようと思ったのだ。大きな会場での3階はとても遠く思えたのだろう。
 今回、倉木さんは、できるだけ3階の方を見上げて歌ったり、できるだけ声を出すようにしていた。一生懸命というよりは、必死で3階の奥の人にも伝わるように歌った。
 「大きな会場に詰め込んでしまって、ごめんね。」の思いと、来てくれたお客さんのためにも、なんとかしなければという思いが倉木さんを必死にさせた。

 もちろん、マイクを使い音声の人が調節するので大声をそんなに出さなくていいし、3階に顔を向けても、後ろのスクリーンでは、かえって顔がわかりづらくなるだけなので、冷静に考えるとそれは意味がないかもしけないが、必死さだけはよくわかる。
 3階の後ろになってしまったファンへの思いやり、全部のファンの気持ちになって、何とかしようとする倉木さんの物凄さは感じられたと思う。

7.Tonight,I Feel close to you
8.The Rose

 バラード2連続、会場には倉木さんの歌以外の何者も身動きするものはない。

9.PERFECT CRIME
10.NEVER GONNA GIVE YOU UP

 バラードの後のいきなりのアップテンポ2連発。NEVER GONNA GIVE YOU UPも激しい曲にアレンジされていた。

11.Stepping ∞ Out
 この曲で少し落ち着かせて、倉木さん退場

BLACK OR WHITE 
 Jeffreyが歌い、メンバー紹介。

12.I don’t wanna Lose you
 ここからは、本来の今回のツアーでのダンスを中心とした選曲になる。今回のツアーからダンサーが2名メンバーに入っているが、この曲はダンサー2名と一緒に踊りながら歌う。
 当初私は、倉木さんに対して「ライブパフォーマンス向上のためにダンスも必要だけれど、歌に差し支えない限度での話。倉木麻衣にダンスは不要。」とアンケートに書いた。
 私の意見を聞き入れたわけではないだろうけれど、そう思った人は多かったらしく、それ以来ダンスのみを披露する部分は2度と見せることはなかった。

 かなり練習したのだろうけれど、やっぱり倉木麻衣にそんなことはしてほしくない。
 ただ、せっかく練習したのだから、もう少し多くの観客の意見を待ってもよかったという意見もありうるだろう。しかし、駄目と判断したら、いくら努力したものでもキッパリと捨ててしまうのはいいことだと思う。

 ただ、この曲については、演技ではなく、倉木さんの目が本当に楽しそうなので、ダンサーとの共演は容認するどころか、私も楽しみにしている。

13.key to my heart
 この曲のあたりで会場の一体感が最高潮に向かう。

14.Brand New Day
15.Delicious Way
16.Come on!Come on!
17.Stand UP
18.Feel fine!

 ダンスとノリのいい曲を連発。ここで全員退場。

暗くなった会場の中「マイケー、マイケー」の大合唱。
この時間は長い、しかし衣装だけでなく髪型も変えるので仕方ない。

アンコール後

19.明日へ架ける橋
 MC 「5月19日にリリースした曲、明日へ架ける橋聴いてください。」
 感動的な曲の上に、今日の倉木さんの声には延びがある。

 MC「今年で私も5年目となるのですが、この5年間を振り返ると、とてもはやく感じられます。私がこうして歌手をしていられるのは、本当にみなさんのおかげだと思っています。時が経つのははやいけれど、1日1日を大切にしてゆきたいと思います。次の曲のStay by my sideは、私の素直な心をそのままストレートに作りました。」

20.Stay by my side
 前奏のコーラスの後、なかなか歌いださない。会場の静寂の中いつもより時間が長く感じられた。この曲の前半は伴奏もコーラスもなく、倉木さん1人で歌うので、いつ歌いだしてもいい。
 そして、思いを込めて、それが頂点に達した時、思いっきり引きしぼられた弓から矢がはなたれるように、大きく水を溜めた関が開かれるように倉木さんは歌いだす。

 それは倉木さんの感情の爆発だった。伴奏もコーラスもない分自由に声を出して歌える、主旋律なんて関係なく思いの限り感情を発露させる。
 私は見ていて今にも倉木さんが泣き出すのではないかと思った。
 後半は伴奏とコーラスもつくが、倉木麻衣の気迫で演奏が終われない、歌い終わったあとも、バックも反応していて最後の音をそのまま流し続ける。
 こんな状態は今までの会場にはなかった。

 余韻が続く。次の曲になかなか移れない。このまま永久に時が流れるのか・・・。

21.always
 長い静寂の中、ようやく意を決したように、Stay by my sideの演奏が終わり、alwaysで会場は一体に。
倉木さんの思いは3階一番奥の人にも届いただろうか。

終演の挨拶ー全員でー

さらに、倉木さん1人で挨拶。
 「今日は、本当にありがとうございました。」
 「1階のみなさん。」マイクなしで「ありがとうございました。」
 「2階のみなさん。」マイクなしで「ありがとうございました。」
マイクなしで力の限り声を出したので苦しそうなそぶり、
最後に力をふりしぼり
 「3階のみなさん。」マイクなしで「ありがとう。」

そして、「横浜のみなさん、また会いましょう。それでは気をつけてお帰りください。」

 うーん。後のライブ日程を考えないかのような必死の歌いぶりに少し不安を覚える。最後の言葉も「次も絶対会えるよね。」という確定的なものではなかった。
 倉木さん恋でもしたのかなとも感じられるし、少し不安を感じる。変な噂が出るといけないのでこれにとどめるが、それにしても真のエンターテイナーであることをかなり表に出した1日だった。
 私が倉木麻衣のファンになったとき、こういうのは営業でやっているのだと思っていたけれど、倉木さんの人柄や、倉木さんの方からのファンへの必死の呼びかけを見ていると、本気でファン1人1人のことを考えている人だと思えてきた。





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