Delicious Way

倉木のファーストアルバムの題名となったナンバーである。
ライブでは手拍子か振りを真似する部分がある。
ライブを盛り上げるのにノりのよい曲の1つである。

この曲については解説は必要ないかもしれない。
倉木麻衣がデビューして半年後くらいに出たアルバムであり、
倉木はデビューしてまもなく製作にかかったようだ。

この頃の倉木麻衣は自分の等身大の歌詞を心掛けており、
同名のアルバムは「自分を知ってもらうために書いた。」という。

Delicius Wayをどう訳すか問題であるが、
「おいしいしい道」「うまい方法」などとも訳せる。
 
この当時、デビュー直後の倉木は
友人とも別れ過去から切り離され悲しい思いをしたこともあった。

その悲しい思いは同アルバムのhappy daysにも綴られている。

倉木は「傷ついたまま大人になるのはつらい。」と言い
「悲しいことを砂に埋めて。」しまったのである。

今までのことで、悲しいことは全て無かったことにしてしまい、
次に進もうというのであり、一種の人生のリセットなのでである。

実際の人生はリセットできないが、
心の中では、誰でもいつでもリセットできるのである。

しかし、リセットされた分、失うものも多い。
その失われたもの以上のものを取り返そうとしていているのが、
「今からでも間に合うよね。」と言部分に現れている。

今からでも失われた人生は取り戻せるよ、
取りもどさないと駄目だよと語りかけている。

ただ、そう考えても、やはり悲しい思い出は抱えることになる。
歌に込められた哀愁が感じられる。

もう新しい世界に踏み込んだ以上後戻りもできない。
そこで、ゼロから新しい世界でひとつひとつ新しい思い出や足跡を残そうと考えた。
これが「砂の上に足跡を残して」という歌詞に反映されている。

Delicius Wayを「うまい方法」と訳してしまうと、
歌のイメージが狂ってしまうので、ここは英語のまま理解した方がよさそうだ。

日のあたる海岸を、ひとつひとつ踏みしめながら、
いつも笑顔でいることを目指してしっかりと歩んでゆく。
それが倉木のDelicius Wayなのだ。


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