Stay by my side
この曲は初期3作のひとつで、倉木が16歳の時に書いた曲で、自分の気持をそのままストレートに書いた曲と本人が何回も言っている。
初期のライブでは倉木自らのピアノの演奏などもあり、だんだんと、ゆっくりとしたバラード調の曲としてライブごとに変化し、2003年秋のSpecial Live では、ほとんどアカペラの倉木の歌唱とコーラスとの素晴らしいハーモニーが観客を魅了し話題になった。
そして、2004年のライブでは、ついに伴奏すらなくなった。
もっとも、全曲ではなくワンコーラス目の途中までで、その後ピアノの伴奏が少し付き、コーラスが付きと、だんだんバックの演奏が増えてくる構成だが、前半の倉木単独のアカペラは圧巻で、観客の注目を倉木の歌に集中させた。
アカペラ伴奏なしというのは、伴奏がないぶん歌い手が自由に歌える部分多い。感情を発露させ思いをぶつけられるし、強調したい部分を譜面どおりよりも思いの限り、強く長く声を出すこともできる。
もちろん、あまりにも「はみ出る」と全体のメロディーを崩しかねず危険なのであるが、歌い手の力量のみせどころでもある。
このアカペラバージョンは2004年のライブツアーの途中からやっているのだが、特に横浜では圧巻で泣き出さんばかりの迫力で歌い上げた。
倉木が歌っている間、会場は水をうったように静まり、そこに動くものすらなくなる。ストレートに倉木の思いを感じて欲しい。
プロモーションビデオにあるとおり「それは、たったひとつの偶然の出会いから全ては始まった。」とあるように、それまでの日常とは違う新しい自分新しい世界が展開してしまう。
愛し合う楽しい日、苦しい日、喧嘩もしたし、いろいろな出来事があった。老人のそういう回想から、このビデオは始まる。
新しい世界がまわりはじめて、いろいろなことがあっても、ずっと「この胸の高鳴りが消えないように。」「この両手の温もりが消えないように。」していたいという倉木の祈りにも似た心が表現されている。
自分の最初に抱いた気持ちを大切に、どなことがあっても、そのままの愛をいつまでも守ってゆきたいという思いを書いたもので、Love,Day After
Tomorrowと共通するものであるが、素直なストレートな感覚で歌われていて、その輝きは日を経るたびに増しているのだ。
この歌は簡単な内容の歌詞であるが、数々の歴代アーティストが歌い続けたものでもある。愛情を保つのは難しく、愛を試すような試練は次々とやってくる。
私が20年以上敬愛する小田和正も「夏の日」で「時よ愛を試さないで」と歌っているが、私はこの歌詞が好きだ。大切なものをそっと守ってゆきたいという願いは誰でも歌うテーマだろう。
さらに倉木は「そばにいて。」と言い「がんばってみるから。」と素直な心が伝わってくる。
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