狂牛病について

狂牛病について
 今、世間を騒がせている、狂牛病のニュースを見るたびに、昔の「ジョーズ」という映画を思い出します。 
 夏の海水浴客からの観光収入が主な収入の町で、巨大ザメの被害が出て、警察署長は海岸を閉鎖する事を主張するのですが、市長は、町の産業の大損害を恐れて、事件の公表や海岸の閉鎖に反対します。
 これに、似ているなと思うのです。
 私は狂牛病については、よく知りませんが、これに関して厚生労働省では、医薬品や化粧品について、牛由来の成分について、牛の産地の変更や他の生物由来の物に変更する等の配慮をするように、平成12年12月に通達を出しています。
 EUでは、今年2月には、骨付きステーキの販売禁止もしています。
 農林水産省では、とにかく、肉は安全なので、冷静な対応を消費者に求めていますが。今まで、何の対策も研究もしてこなかったので、何の根拠も無いのです。
 早急に対策を立てて頂きたい者ですね。
 情報の出し方も、姑息で、最初は脳と脊髄以外は安全として報道し、次には、脳と脊髄、眼球、小腸の一部として報道して、少しずつ増やしていますが。
 後に、被害を膨らませないようにして、さらに、業者の風評被害を増やさない為にも、ちゃんとした調査と、隠す事の無い情報提供をお願いしたい物です。
 一斉に牛を処分するのは、大変な損害ですが、これ以上拡大すると、さらに損害は大きくなります。(不良債権も、そうでしたね。)
 それと、風評被害というのは、真実をしっかりと知らされないから起きるので、しっかりした事実と、それをつかむ為の調査が必要です、早くしないと風評被害は多くなるばかりです。
 狂牛病について、感染の可能性の高いのは、脳、脊髄、等の神経細胞の集まる所と、眼球、小腸が危ないと言われています。牛由来のゼラチンや牛乳については、正しい手順で製造されている限り安全です。
 感染の恐れのある部位については、厚生労働省の平成12年12月の通達によると(医薬品、化粧品の原料としてはいけない部位)脳(下垂体、硬膜等の部分を含む)、脊髄、胎盤、扁桃、胸腺、副腎、脾臓、腸、リンパ節、骨髄が挙げられています。
 従って、筋肉は感染の可能性は低いとはいえ、骨に近い部分は、感染部位が近く、危険性があると言う事で、2001年2月に骨付きの肉の販売を禁止している国もあります。
 わが国では、感染源となった、骨肉紛の輸入について鶏用には認められていますが、実際には、鶏以外でも使われていたそうで、この辺の調査と、生産業者の意識改革が必要だと思います。

(2001年9月29日 記)


続狂牛病
 今回も狂牛病です。先週これについての記事を書いて、今週までに、世間でさらなる盛り上がりを見せているからです。
 次に、単なる基準のみを示します。

EU薬品審査庁による臓器分類(スクレイピー感染羊)
高度感染性 ー脊髄
中等度感染性ー回腸、リンパ節、近位結腸、脾臓、扁桃、硬膜、松果体
         胎盤、脳脊髄液、下垂体、副腎、
低感染性  −遠位結腸、鼻粘膜、末梢神経骨髄、肝臓、肺、膵臓、胸腺

 *赤文字の部分は牛において感染性の認められた部位です。

厚生労働省の通達(平成12年12月12日)
 牛、鹿、水牛、羊、山羊などの次の部位は、原産国にかかわらず、使用しない事。

 脳、脊髄、眼、腸、扁桃、リンパ節、脾臓、松果体、硬膜、胎盤、脳脊髄液、下垂体、胸腺、副腎

問題点
しかし、現在マスコミ等で、公的機関の発表による物は、脳、脊髄、目、小腸の一部となっています。しかし、リンパ節などの感染部位は、一部には報道されていますが、殆ど報道には上りません。
 リンパ節の写真でもプリオンは確認されています。食肉では顕微鏡写真でも全くプリオンは認められません。
 リンパ節というのが伏せられるのは、リンパ節は体内に広く分布しており、食肉との分離は大変な作業となるからです。
 とりわけ、加工食品では、分離されていないかもしれません。
 それと、プリオンの感染力からすると、現在の解体作業では、食肉へのプリオンの飛散は避けられません。
何故なら、今の解体作業では、牛を背中から真っ二つにカットしてしまいます。この時、脊髄が真っ二つになります。
 少なくとも、脊髄の内容物に触れた物は肉に触れてはなりません。プリオンが付着してしまいます。
 従って、解体方法をEUのように脊髄をカットしない方法に変えなくてはなりません。
 また、フグをさばくように、危険部位を丁寧に排除するようにしなくてはなりません。その意味で、食肉業者や解体業者の意識改革と研修が求められる所です。
 くれぐれも「ずさんな作業」だけは無くさなくてはなりません。
 勿論、1頭1頭の牛を検査する事によって、排除する事は引き続きやって欲しい物です。
 しかし、もっと大切な事は、牛だけで無く全ての家畜について、これ以上の感染拡大を防ぐ事です。
 骨肉紛の使用禁止は勿論ですが、今のところ、我が国で初めての感染例は骨肉紛を使用していないので、感染経路の特定が急がれる所です。

(2001年10月6日 記)
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