掃除が商売の基本
 
朝の掃除は、どうしていますか?

 店が開店するより、ずっと早い時間、店員達が出勤すると開店準備をします。スーパーなどの大店舗では朝礼やレジ係りの人などはレジの練習をするのでしょう。
 早朝の店内では「ありがとうございました。」という全員によるお起きな掛け声。「5000円お預かりします。1、2、3千円と、252円のお返しです。ありがとうございました。」などの声がしています。

 最近は、店内清掃は業者の人が営業時間中適時、または閉店後などに一斉にしているようです。しかし、昔は店員が全員で掃除したものです。モップがけという店もありましたが、私のいちところは、真冬でも雑巾を絞って、床なども雑巾がけしました。
 今から思うと、不合理さは否めませんね。しかし、モップがけよりも、お客様を迎える心は養われたように思います。
 接客というものは、その顧客に対しているときだけ上手くできればよくて、そうしている人もいます。しかし、全員がいつも、上手く立ち回れるとは限りません。それに、顧客本位に考えているのと、顧客の前だけいい店員でいるのとでは、細かいところで差が出てしまうと思います。

 まあ、これは精神論なのですが、顧客を迎える心構えというものは、大切だと思うのです。

商品がホコリを被っていないか
 
 大手のスーパーなどでは、ほとんど無いのですが、個人の店舗だと、商品にホコリが付いている事があります。道路に面して商品が山積みになっていると、1日経たないうちにホコリだらけになってしまいます。しかし、顧客にしてみれば、自分が買うものはきれいなものが欲しいと思うのは当然なのです。毀損していたり、汚くなっていては誰も買いたくないのです。
 よく本屋さんなどで、表紙が破れたり汚損している本が並んでいることがありますが、あれは誰も買いたくありません。本に限らず、運送の間とかで商品を破損することがあるのです。
 それは、メーカーの段階か、卸し業者の倉庫でのことか、そんなことはどうでもいいのですす。そういう顧客が買いたくない商品は並べないようにしなくてはいけません。

 朝、店員が店の床を掃除した後は、商品も拭いていました。それは、商品をきれいにするだけではなく、商品が破損していないか、期限が切れていないか、そういうことをチェックする意味があったのです。新人がいる場合は、商品や商品の位置を覚える意味もありました。
 今では、どうしているのでしょうか。

新人の仕事は店内清掃でした

 今では正社員が店内の清掃や、棚に商品を並べる事はないのでしょう。私が、新入社員の頃は、掃除が新人の仕事でした。
 新入社員が店舗にやってきても、何もできる事はありません。そこで、朝の床拭きを済ませると、棚の掃除となりました。
 もちろん、営業時間内ですので、顧客の邪魔にならないように、少しずつ棚の商品を段ボールに移し棚を拭いてゆくのです。場合によっては、商品も拭きます。
 この作業の意味は、快適な空間を顧客に提供する意味もあるのですが、まず、新人が覚えるべき事が身につきます。
 自分の店の扱い商品、商品の位置を知ることになります。掃除の合間に、パッケージの説明文を読んで個々の商品の知識を得る事。商品の売価を覚えることなどが次の段階でするべきことになります。
 もちろん、こういうのは表にしたものを暗記させてもいいのですが、それでは覚えられないと思います。現実の商品を手に取る事によって、早く正確に覚えられると思うのです、それに掃除をするということ自体が顧客サービスであると思うのです。

 商品をきれいにしておく、店内や棚の掃除をする。そういうことだけで、かなり売り上げは変わってくると思います。
 ただ、これは、していて当たり前というレベルの事ですが、これを忘れると顧客の印象は悪くなるでしょう。

余談ですが

 昔はPOSシステムがなくて、商品のひとつひとつにラベラーというもので値段を書いたラベルをつけていました。今でも、そうしている店があるのですが、見ているとバイトの人が恐ろしくゆっくりしたスピードで付けているのを見ることがあります。場合によっては店主自体がそうであることがあります。
 こういう作業では時間をかけてはいけません。マニュアルはあるのでしょうが、先輩のよき技術が後輩に引き継がれていないような気がします。
 最近は、個人がフランチャイズに加盟したりして、店主自体が素人であったりしますし、店主とバイトだけの店では、そうなるのかもしれませんけれどね。


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