最近「焦土作戦」ということがマスコミで取り上げられている。
「焦土作戦」というのは昔からの古典的な作戦だ。
敵が攻めて来るとき、自分の領土を焦土とし
例え敵が勝っても何の価値もなくするという状況を作り
敵の戦意をそぐ作戦だ。
ただ、これで敵の攻撃をかわしても
その後に自らも大損害を負う危ないものだ。
実際に自分の価値もなくなるので、
それで勝っても意味が無いこともある。
ただ、焦土作戦といっても
実際の戦争で取られているのとは趣旨が違う。
実際の戦争では勝つ手段なのだ。
昔、毛利元就が尼子に攻められたときも焦土作戦をとった。
当時の毛利氏は人口3000人程度の領地を持つ
大名というより国人領主だった。
それに対して尼子というのは出雲を中心に
何ヶ国をも領有する大名だった。
尼子の兵2万に対しては全人口で戦っても相手になるはずもない。
そこで農民も戦火から守ると称して
農民も全員、郡山城に立てこもらせた。
すると農民は全ての農作物も持って城に入った。
だいたい大軍勢というものは
食料など物資は自国から運んでくるのではあるが
やはり現地で買ったり、徴収して現地調達しないと間に合わない。
ところが現地に行くと何も無いということで
大軍の食料維持が困難になってくる。
結局、この戦いで毛利は尼子の攻撃に耐えるわけだが
農地は、その間放置されたが
尼子の軍勢が荒らすことはなく
(荒らすと、領有化の意味がなくなるので。)
農民も毛利の軍勢も、大損害というまでにはならなかった。
作戦と言うものは単に相手に勝つとかいうものではなく
焦土作戦をすることで自分もボロボロになっては
勝つ意味がなくなってくる。
まあ、自分の支配権だけは守れるという。
支配権に意味があるのは
支配する対象に価値があるからだ。
支配権そのものには、そんなに価値があるとは思えない。
今度の件で言うと焦土作戦に意味が無いと思う。
ただ、ニッポン放送というもの自体が
フジテレビにとってトカゲのしっぽと自認するなら
焦土作戦も何のこともないわけだが
それでもいいのだろうか?
堀江社長がSBI北尾会長と会談
ライブドアの堀江社長が
ソフトバンク・インベストメント(SBI)の北尾吉孝CEO(最高経営責任者)と
28日会談することが報じられた。
相手の真意がわからないので危険でもあるが
やはり、こういうときは徹底抗戦もいいが
和解の道を探るのが妥当だと思う。
ソフトバンクなら仲裁者としてはいいと思う。
なにぶん話をしないと話にならない。
訴訟のさかんな国ならともかく
本来訴訟というものは話し合いで解決できない場合に
仕方なくするものだ。
今回のことを総括するのは早いけれど
堀江社長は兵法を知らなすぎると感じたのは私だけではないだろう。
華僑の人たちは「三十六計」という兵法書をよく読んでいると
何かの本で読んだことがあるが
日本の経営者でも「孫子」の解説書くらいは読んでいることが多い。
兵法書は読んでも理解できないし
完璧に読んでも意味が理解できるのは
現実の戦いのなかで「ああ、このことを言っていたのか。」と後でわかるもの
しかし、孫子でなくていいけれど何かの兵法というものは読んでおいた方がいい。
流言で相手の国をガタガタにするのは兵法の常識。
堀江社長のビジョンは断片的にしか伝えられなくて
また、商業上の内容は公開したらおしまいなので
堀江社長もマスコミでは言えない。
それに話し合いのテーブルにつかなかったのだから
相手の真意や内容なんてわかるはずもなく
相手の言葉尻をとらえて関係者に流したい話の筋を作り
これを上手く利用した。
ニッポン放送の社員も優秀なので
そういうことはわかっていただろうけれど
繰り返し長期にそういう状況が続くと
不思議なもので感情的には敵対心が湧いてくるのが
人情というものだ。
普通は相手の陣営で流言を流して
チームワークをボロボロにするのであるが
今回は変則的だった。
もっとも、意図したものかはわからないが
結果としては、そうなった感がある。
社員としての団結感もそうさせたろう。
今回のことで堀江社長に対して誹謗中傷する人がいるが
堀江社長もそれなりの仕事をしてこられ実績も残している。
何よりライブドアグループの総帥として
多くの社員の生活を支えている。
その限りでは、認められるべきだ。
ただ、堀江社長の方も
情報戦の大切さというものは
本当に身にしみて感じなくてはいけないと思う。
責任が大きい人だからなおさら思う。